2012-01-01から1年間の記事一覧

フィリップ・K・ディック『高い城の男』

実はディックの本、めっちゃ面白く読んだこと無い。すいません。 でも「すごいなぁ」とはいっつも思うんですけど。。。 まぁとりあえずくじけずに読めたので良かった。

アーシュラ・K・ル=グウィン『ロカノンの世界』

ファンタジーSF。かっこいい。 ル=グウィンは完全に一つの惑星、ひとつの世界観をこちらに提示してくれるので読書中の高揚感が半端ない。ワクワクしかない。 金髪褐色で背の高い美しい種族っていうのもカッコイイし、背が低いが詩人のように示唆に富んだ言葉…

森奈津子『耽美なわしら』

明るいゲイとレズビアンとバイの話。 特に彩子の「女学生エスもの」が好きという点はわりとツボったのでよかった。 これから俺も少女向けのエス小説を漁らないとダメだなという気持ちになった。女学生が好きとか言っておきながら全然読んでないので不義理だ…

オースン・スコット・カード『無伴奏ソナタ』

表題作の他に「エンダーのゲーム」などなど。 なんというか、SFの基礎知識的に読んでおくべきものだった気はする。

谷崎潤一郎『痴人の愛』

めっちゃおもしろい。その時代の風俗も描いてるところがいいよね。特に大正なんて好きですから。西洋文化が潜り込んできてるあたりの風俗は本当に楽しい。 なんかもう途中だいぶ笑っちゃったからね。あまりにも手玉に取られすぎてて。ジョージがもう惨めすぎ…

笹本祐一『カーニバル・ナイト』

テンション。これに尽きる。そして和沙結希の妙な存在感。 面白すぎるので早くラスト・レターが読みたいんですが。それ読まないともうまともに感想なんて書けないよ。 文章の手法として、本当に詳しく地名やら固有名詞をしっかり書くとものすごくなんかまと…

笹本祐一『ハレーション・ゴースト』

妖精作戦Part2。面白すぎです。 この文化祭描写のハチャメチャさなんかはもう。このシリーズに出てくる高校生共がハイスペックすぎてカッコイイ。なんで大型免許普通に持っとんねん。 沖田くんはかっこ良すぎるのでもうずっと主人公でもいいのかなと思ったけ…

小川一水『老ヴォールの惑星』

初めての小川一水。散々本屋では名前見てきたけど。 真面目に色んな知識を蓄えた上でのしっかりしたSFで。でもそのしっかりした上で、今回この短編集だと特に人間と科学SFという感じで、色々考えて読めたのでよかった。 どんどん読まないと・・・まだ本が10…

ジャック・フィニイ『盗まれた街』

フィニイ。異星人による侵略ものだけど、相手は宇宙植物。生物らしい感情がないところがなんとも不気味だし、その侵略手段も「成り代わり」とだいぶ不気味。 なにより人間の内面だったり感じ方をとても多く描写されていて、人間が好きなのだろうな、と好感が…

上田早夕里『リリエンタールの末裔』

なんていうか、読んでて画が脳裏に浮かぶ。なぜだか無性に泣きたくなるような、そんな画が。 表題の「リリエンタールの末裔」なんかはもう完全に画が動いてた。あんまり頭に画が浮かぶって意識しないとそこまでないんだけど、もう自然に。 女性作家のSFって…

スタニスワフ・レム『砂漠の惑星』

『ソラリスの陽のもとに』以来のレム。高1くらいに読んで難解過ぎてよくわからないまま読み終えたんだけど。 そのイメージとは違って、一種の冒険物としても読める面があるからだいぶ読みやすかった。発想は本当に秀逸。これはなかなか思いつかない。機械同…

菅浩江『そばかすのフィギュア』

前の『五人姉妹』と一緒に神保町ブックフェスで買ったサイン入り本。 やっぱなんていうか色彩とか、そういう繊細なところだよね。とにかくサクサク読めるのはありがたい。 こう思いが届いてない微妙な心みたいのがたくさん書いてあって、切ない短編が多いね。

菅浩江『五人姉妹』

表題の「五人姉妹」はかなり好き。女性作家久々に読むってのもあるけど、まさに女性らしい感性を叩きつけられたような、そういう清々しさ。 SFなんだけど、SFと人間との関わりというか、SFは舞台装置だったりする程度。舞台装置を組んだその後をしっかり見据…

水見稜『マインド・イーター』

89年の本の復刊。にしては全く時代を感じないのがすごい。 クトゥルフ的な宇宙的恐怖と、それにSF的思考実験が織り交ざっていろんなイメージが渦巻いていた印象。設定それ自体とそこから派生した物語。とにかくおもしろすぎる。たぶんまた何度でも読めるスル…

少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録

見た。TV版を一気に見た流れで。 もうなんかいろいろな既成概念がぶっ壊されたような気がして怖い。あまり影響されすぎるのも癪なのでがんばって嵐のような勢いに負けないように自分の価値観を保持するのが精一杯という始末。天才の仕事は怖い。 ウテナを通…

上遠野浩平『ヴァルプルギスの後悔その4』

例のとおりその4ではなくて、Fire4.なんですが。っていうか「かどのこうへい」って打ってGoogleIMEさんに華麗にスルーされたのがものすごく不満。かどのこうへいを一発で変換できなくて何のためのGoogleIMEだよって思った。ううううう・・・ 最後の方に最高…

秋山瑞人『DRAGON BUSTER 02』

まさか。新刊が出るとは。その一言で感想文終わらせたい。 やっぱり秋山さんの文章がただのラノベ書きのそれとは一線を画する、どこがと言われるとなんとも言えないんだが、やはり雰囲気が異常。キャラ描写がありえないくらいの臨場感。素敵過ぎる。 端々で…