2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

チェーホフ『かもめ』

なんだか難しくて。そもそも名前がすごいわかりにくくて、人物把握だけでも労力すごい。例えば、本のセリフのところには「ソーリン」と書いている人のことを登場人物らは好き勝手に「ピョートル」だの「ニコレーエヴィチ」だの呼びよるのでいちいち最初のペ…

森鴎外『雁』

白樺派で攻めるのは断念。だって置いてないんだもん。詰み。 やはり自分が面白いと思う小説は、女性の心理やその性質をまるで見てきたかのように細微に描写しているものが多い。もっともそれが真であるかどうかは男である身分ではわかりえないのだが。でもそ…

ミュッセ『戯れに恋はすまじ』

意地っ張りで理屈っぽい意固地な男女が互いに「あんたなんて好きだけど嫌いなんだから!」と言い合ってけんかをしていたら、それにまきこまれた村娘が悲惨な目にあって終わる話。なんだそれ。 上記の、主人公の男とその従妹との意地の張り合いとはまったく別…

有島武郎『小さき者へ・生まれ出ずる悩み』

白樺派で攻めてみる試み。 小さき者へ。妻が逝ったあとにまだ小さい子供らに対して、その深い事情を語ってるもの。全体通して子供に語っているようではあるけど、結局自分の思い出やら妻との関係やらを再確認しているような文章。子供らに対する色々な言い訳…

武者小路実篤『友情』

高校のときに『こころ』を読んで、なかなかエグい話だなぁと思った記憶があるのですが、これはそれよりさらにエグい気がします。エグい代わりに登場人物たちはさほど不幸にはならない。作中の表現としては、少なくとも。 表紙に「身につまされる思いで読み進…

モーム『夫が多すぎて』

戯曲。喜劇。 自分には非常に残念なことに「舞台演劇」という経験が一切ないのです。見に行ったことも数回。足りない。歩いていこうとする道を切り抜けるにはこのあたりのEXPが足りない。とすると出不精であり、金欠気味の学生にとっては、図書館の本が城…

高村光太郎『智恵子抄』

「あどけない話」が読みたいがために借りたのだけれど、どうせなのでぜんぶ読む。 詩ばっかりなのかなぁと思っていたら、最後のほうにちょっとした文章や、草野心平の回顧録っぽい解説も載っていてそのあたりが読み応えがあって安心。最近はまだ読み方がわか…

森鴎外『ウィタ・セクスアリス』

人生は性欲だけじゃないよな!けど、俺って人より性欲に冷淡かも。変じゃないよね? ということを、自叙伝風に体験を交えて書いてあるのだけど、青年期に入ってからの記述にところどころ「どうせ俺ァ不細工だからなァ。ロマンテイツクな恋ひなどは俺には向か…