2010-01-01から1年間の記事一覧

ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』

実は読んだことないシリーズ。第何十回目かの図書館をぶらつくツアー中に、前回読んだ「アリスへの決別」を思い出して手に取ったという実に流れのある読書。すばらしい!か? ぶっちゃけアニメ映画もちゃんと見たことない。トランプの兵隊だのチェシャ猫だの…

山本弘『アリスへの決別』

短編集。7つ。この人の長編読んだことないから今度機会があったら読んでみたいねー。 最初に収録されてる二つの短編は、山本弘らしい、社会風刺がちょっぴり盛り込まれたモノが多め。とくに「リトル・ガール再び」なんかは風刺的な意味でもう見てらんないで…

J・ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』

"The Only Neat Thing To Do"を『たったひとつの冴えたやりかた』とはうまくやるなー。この人の小説の邦訳は結構イケてるのが多い。『愛はさだめ、さだめは死』とか。やっぱりSFの名作は題名からしてカッコイイ。一番ビビっときたのは『モナリザ・オーヴァ…

機本伸司『神様のパラドックス』

「『神様のパズル』のスピンオフ」らしい。ただつながりとしては作者が同じで、作風とかちょっとした時代設定が同じってくらい。 前作と同じく、登場人物たちの議論によって、作者の設定したテーマを読者にも分かりやすいように進めていく手法っぽい。でっか…

村上春樹『海辺のカフカ』

思春期を潜り抜ける精神的な儀式を大層に描いてあるような気もするし、同時に「引き継がれる」物語でもあるのかなという気もする。色々なことを考えられるのはさすがのハルキワールドなのか。 ナカタさん編に限っていえば、なんとなくフォレストガンプっぽい…

村上春樹『東京奇譚集』

ひとつ前に読んだ短編集とくらべると最近?の短編が入っていた様子で。 もちろん登場人物たちにはハルキ特有の「クサさ」みたいのはあって、それは個性でもあるんだけども、文章それ自体から漂ってきていた、いや香りすぎていてともすれば嫌味にも取れそうな…

村上春樹『蛍・納屋を焼く・その他の短編』

村上春樹は隠喩が上手いらしい。 この短編集でも多用されている感じ。それっぽいワードとアンニュイな気分を醸し出すエピソードがあって、それらによって村上ワールドがなんとなく整っていく印象を受ける。「なんかよくわからないけど、上手いこと深いことが…

冲方丁『マルドゥック・ヴェロシティ』

『スクランブル』のほうを改訂版で読んでいるせいか、非常に癖のある文体にまずびびる。ボイルドの冷静な思考の表現として、そしてサスペンスアクションを描写する手段としては好みの幅はあるだろうけど、俺に対しては十分機能していた。 スクランブルを一通…

村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

実はハルキ読んだことなかった。読まないうちにノーベル賞とかとられると困っちゃうので読んでおくことに。昭和63年に発行かー。思ったよりずっと昔だ。 やっぱりおもしろいんだなぁこれが。話もそうなんだけど、なにより主人公にすごく魅力を感じる。共感も…

冲方丁『マルドゥック・スクランブル』

たしかに、以前読んだ『微睡みのセフィロト』はこれに繋がってる感じはした。主に美少女がおっさんと一緒に戦うってとこだけど。マルドゥックではネズミだけど中身は紳氏だから問題ない、はず。 そんでもって思ったよりは戦闘シーンは少なかった。1巻分くら…

ニッポン大作映画の秘かな愉しみ

という、池袋新文芸座のオールナイトイベントに行ってきた。もちろん知り合いからの誘いで。制作費とかがものすごいのに、中身がひどいクソ邦画を鑑賞しようという底意地の悪い企画だった。客50人くらいいた気がする。マニアすごい。 『幻の湖』 一番笑っ…

『REDLINE』

アタマをカラッポにしてみたい映画。面白かった。 テンポがいいし、無駄なところでだらだらしない。面倒くさそうな問題もサクッと解決させちゃうので、あの映画ならではのノリが崩れないで済んでた。誰も不幸にならないいい映画じゃないかなと思う。 とにか…

『ショーシャンクの空に』

気持ちのいい映画。すっとするような、なんというか。男ばっかり出てくるから参考になることも多い。 意外性もすごいし、まとまりも良いし流れも良い。『フォレストガンプ』ではイラっとするヒロインがいたんだけど、今回はそんなものもない。全員問題ない。…

『ローマの休日』

もちろん純粋に楽しんでも良い映画だけれど、知識として見ておいて損はない。というか必須なのか・・・・例えば、この前見た『パプリカ』でギター持って人の頭をバコッと叩くシーンが何かのオマージュなんだろうと思ってみていたけども、それがまさにこの『…

『パプリカ』

今敏追悼特集みたいのしててもいいだろ、ツタヤさんよー。 千年女優でもそうだけど、アニメにしかできない表現をとことんやってくれてるから気持ちが良い。カットというかテンポというかタイミングというか、全部が全部監督の力ってわけじゃないんだろうけど…

海猫沢めろん『零式』

中二病、でいいんじゃないかなこれは。面白かったような気がするので良し。 SF短編集に載ってたものもカオスなところが多かったけども、これまたカオスな部分がところどころ。 中二病にしても発想が面白かった。「街宣車」を「鎧戦車」と書いてみたり、「…

『SAW』

ずーっと前に「鎖で繋がれた二人の男、その部屋の中心には死体が!」みたいな予告編を見てから見たかった映画。 まぁまぁ、かな。期待はずれとまではいかないものの、そこまででもなかった。捕まった二人のうち、1人の捕まえられた理由がそれまでの被害者た…

機本伸司『神様のパズル』

完成度が高いなーという感じ。足元がどっしりしているというか、劇中に出てくる細かい説明がどっしりしていて、退屈な説明に成り下がっていないような。 なんだけど、ストーリー的には主人公が可哀想すぎてヤバイ。好きな子はイケメンに喰われ、かといってヒ…

森奈津子『からくりアンモラル』

神保町にあるSF古書店のひとつに行く機会があったのでいくつか本買いました。マルドゥックスクランブルが置いてなかったのが悲しい。 森奈津子ってアンドロイドとかロボットとか好きなのか、そういうのが多いような。そして大抵男は積極的に物語に対して干…

エヴァ破

シンジさん!知り合いが「シンジ君からシンジさんに変わりますよ」といっていた意味がわかった。シンジさん!カコイイ!アスカだけ相変わらず可哀想だけど、可哀想なのがアスカなのでアイデンティティーを取り上げるようなことはしてはいけないのだなと思っ…

『カッコーの巣の上で』

色々借りた中では本命。アメリカンニューシネマを見たいのである。 またしても精神を病んだ人が多く出てくる感じ。俳優さんたちが本当に生き生き(キャラクターとしては精神病なのだが)と演じている。変人奇人は役者冥利に尽きる役回りだなー。 つうか、脱…

『レインマン』

自閉症に関してはさんざんっぱら、電車(の最後部)で見てきているので妙に慣れ親しんでいる感がある。幸か不幸か。 ダスティン・ホフマンが、自閉症の演技が上手すぎた。演技派、と呼ばれる人にとってはやっぱりこのテーマはやりがいがあるんだろうか。どっ…

『フォレスト・ガンプ』

ダン中尉。隊長。ベトナムで両足失っちゃう、戦場で死にたかったヒロイズムの持ち主。こいつが一番かっこよかった。 たしかにフォレストもすごくいいやつだしピュアだし主人公なんだけど、かっこよさの部分ではダン中尉に負ける。どこがかっこいいかって、全…

『ブッシュ』

色々な事情があって、内容にまったく興味はないが見ることに。 とりあえず、ブッシュ大統領役の人がすごく似ててびびる。ライスも似てる。パウエルも似てる。なんかすごい。たぶん外国人だからちゃんと違いがわからないだけかもしれないけど。 日本でここま…

エヴァ序

待望の映画カテゴリ。最初はコレと本だけのつもりでした。 そしてエヴァはおもしろい。すごいカットの嵐でTV版みてないとイミフだけど。それはいいんだ、映画版の宿命だから。ただガンダムだけは映画版を最初にオススメしたい。コレはガチ。 破が早く見た…

佐藤健寿『X51.ORG THE ODYSSEY』

欲しい欲しいと思ってようやく入手。 中学二年の夏、パソコンが部屋に設置されネットに触れて以来、「x51.org」なる怪しいサイトが、時折オカルト関係のことを検索すると度々その姿を俺の前に現していた。ちょうどオーパーツやらなんやらに熱を入れていた時…

KENSO

日本のプログレは聴きやすいのが多いのがいいと思う。特にゲーム音楽から入ったようなヌルヌル人間にとっては。 KENSO。デビューの『ケンソー』と最高傑作らしい『夢の丘』を購入。当然アマゾン。『天鳶絨症綺譚』もほしかったけど、一枚も持ってないバンド…

犬村小六『とある飛行士への恋歌4』

これの前の『〜の追憶』がけっこうおもしろかったので読んでいるこのシリーズ。正直1・2巻はさほどおもしろさを見出せずにいたのだけれど、3巻辺りから少し盛り返してきたので良しとしよう。 キレると突然覚醒する主人公の能力といい、劣勢から一騎の神が…

上遠野浩平『ヴァルプルギスの後悔その3』

その3じゃないんだけどね。Fire3.なんだけどね。 相変わらず期待通りのものを期待通りに仕上げてくれているので問題無い。サクッと読み終えられちゃうあたりも問題無い。 読み終えた後にふとした全能感というか、こみ上げてくる中二病。自分にも秘められた…

最近買ったCD

ディスクユニオンで何故か欲しいCDがピンポイントで置いてあったので浪費。貯金やばい。 四人囃子『一触即発』『ゴールデン・ピクニックス』 新月『新月』 CAMEL『ミラージュ』 TAI PHONG『恐るべき静寂』 ELP『タルカス』 KANSAS『永遠の序曲』 全部プロ…