2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

機本伸司『神様のパラドックス』

「『神様のパズル』のスピンオフ」らしい。ただつながりとしては作者が同じで、作風とかちょっとした時代設定が同じってくらい。 前作と同じく、登場人物たちの議論によって、作者の設定したテーマを読者にも分かりやすいように進めていく手法っぽい。でっか…

村上春樹『海辺のカフカ』

思春期を潜り抜ける精神的な儀式を大層に描いてあるような気もするし、同時に「引き継がれる」物語でもあるのかなという気もする。色々なことを考えられるのはさすがのハルキワールドなのか。 ナカタさん編に限っていえば、なんとなくフォレストガンプっぽい…

村上春樹『東京奇譚集』

ひとつ前に読んだ短編集とくらべると最近?の短編が入っていた様子で。 もちろん登場人物たちにはハルキ特有の「クサさ」みたいのはあって、それは個性でもあるんだけども、文章それ自体から漂ってきていた、いや香りすぎていてともすれば嫌味にも取れそうな…

村上春樹『蛍・納屋を焼く・その他の短編』

村上春樹は隠喩が上手いらしい。 この短編集でも多用されている感じ。それっぽいワードとアンニュイな気分を醸し出すエピソードがあって、それらによって村上ワールドがなんとなく整っていく印象を受ける。「なんかよくわからないけど、上手いこと深いことが…

冲方丁『マルドゥック・ヴェロシティ』

『スクランブル』のほうを改訂版で読んでいるせいか、非常に癖のある文体にまずびびる。ボイルドの冷静な思考の表現として、そしてサスペンスアクションを描写する手段としては好みの幅はあるだろうけど、俺に対しては十分機能していた。 スクランブルを一通…

村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

実はハルキ読んだことなかった。読まないうちにノーベル賞とかとられると困っちゃうので読んでおくことに。昭和63年に発行かー。思ったよりずっと昔だ。 やっぱりおもしろいんだなぁこれが。話もそうなんだけど、なにより主人公にすごく魅力を感じる。共感も…