モーパッサン『脂肪のかたまり』

名前のインパクトで借りる。あと表紙にモーパッサン出世作、と書いてあったので。
一体何のことかと思って読んでみたら、登場人物の娼婦のことで、太っているから「ブール・ド・シュイフ」脂肪のかたまりの意らしいこのあだ名でよばれている。ひでぇな。
普仏戦争のことがよくわかっているともっと楽しめるのでしょうが、歴史に疎い人間の悲しさ、外国文学に対して史実面で苦手意識を感じざるをえません。
もうとにかく出てくるやつらがクズばっかりですごい。貴族っていえばみんな拝金主義の自己中野郎のクズで見栄っ張りなんだろ、という見方を全面的に出した小説。こんなんそりゃ庶民には大うけだよ。
ウィキ見たら、日本の自然主義にも大いに影響及ぼした人らしいですね。大学の図書館にやけにこの人の本がたくさんおいてあったのでいろいろ見てみようかしら。そしてあいかわらずハヤカワSF文庫は置いてないのね。