機本伸司『パズルの軌跡』

神様のパズル、神様のパラドックスときてこれ・・・・なのかな?
基本的に主人公の主観で描写されてるんだけども、その主人公がどうにも凡人(と作中では言われているが部分的にはそれ以下ではないかと思ってしまう)なので、いまいちサラカの心情だったりそういったところが捉え切れていない書き方になっていたりする。それはつまり読み手でそのあたりは補完しろよという手法なんだと思う。
あとがきに「そんなつもりはなかったのだが、聞こえてくる感想には『サラカが萌える』といったものが多く若干戸惑った」みたいなことが書いてあっておもしろい。表紙がね、そういう感じだったもんね。挿絵は無いのにね。見事にオタクホイホイ成功していたわけか。
それを意識したのかどうかは分からないけど、ちょっと今作はツンデレポイントは追加されてるように思えた。『神様のパズル』では無愛想なだけじゃね?っていうところもしっかりアクセントをきかせてあった。まぁこれは主人公との関係が進んでいるからなのかもしれない。露骨ではないから個人的にOK。